五 仕
事
(1)
農業 =田んぼ(米作り)
・たんぼ鋤(すき)、畦ぬり
苗代(なえしろ)、田植え、草取り
稲刈り、稲こぎ,米すり
* すべて手作業で重労働だった。
・
畑仕事 (野菜作り)
畑耕し :(柄の短い肥後鍬で一鍬、一鍬耕して、大変な重労働だった。
・種子まき (大根、白菜、人参、ごぼう、ほうれん草、ふだん菜、タイサイ、なす、
きゅうり)
・農業用道具 鋤、鍬、鎌、せんば(いねこぎ用)、とうみ(もみを選別する)、もみおろし
鍬
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鋤
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足踏脱穀機
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鋤
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唐箕
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千歯こぎ
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リヤカー
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大八車
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ワラウチ
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箕
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・農業の手仕事=農家には家の中に土間があり、ワラ等を使って塵の出る仕事でも雨の日や夜の仕事(よなべ)はできた。
縄ない、むしろ打ち、わらじ作り
蓑(みの)編み、米搗き、焼き米つき
俵編み,豆じの、とうきびじの、餅つき
・女性の手仕事 機織、糸紡ぎ、仕事着(モモヒキ、きゃはん、手ぬき、モンペ)作り、袋物作り(お鉢袋、ぞうきん作り、着物作り、つくろい物、おひつ入れ(ワラをつくってご飯がさめないように) ワラほうき作り
・子供の手伝い=農家にとって子供の手伝いも大切な役目だった。
掃き掃除、ふき掃除、庭はわき、子守
風呂わかし、ワラ切(牛馬のエサ)
たきもん拾い(杉の枯葉などを拾ってごはん焚きや風呂わかしにする)
阿蘇の天候に関したいわれ |
意味 内容 |
三月の忘れ雪 |
3月暖かくなったのに、ひょっこり寒さが戻って降る雪のこと |
暑さ寒さも彼岸まで |
暑いのも秋の彼岸まで、寒いのも春の彼岸まで。気候の目安をいう。 |
根子岳夕立ちゃ屁もひりあわせん |
根子岳が曇ったら急に夕立が来るという戒め |
夏と冬、一緒にに来たか阿蘇んじょ |
浴衣の上に綿入れ袖なしを着たりする、阿蘇の天候の変化を言ったもの |
阿蘇山の煙がこっち(阿蘇谷)の方に降りて来たら雨になる |
阿蘇山の煙で天気予報をした |
阿蘇ん夕立ちゃ馬ん背も降り分ける |
馬の背中の向こうは降っても手前は降らない。雨の群れ降りの様子 |
夏の夕焼け大水の元 |
夏の夕焼けは大雨になるという天気予報 |
秋の夕焼け鎌をとげ |
晴れるから稲刈りができる |
月に虹の輪(傘をかぶる)が出来たら翌日は雨が降る |
月に輪がでたら明日は雨という天気予報 |
神経痛が痛むと翌日は雨に務ああなる又はアカギレが痛む |
神経痛の痛みや、アカギレの痛みで天気予報をした |
東風と一人婿はただじゃ来ん |
東風は雨を持って来る、一人婿は財産が目当で来る |
継子の洗濯日和 |
大雪の翌日は晴れる |
ひぐらし啼いたら梅雨あがる |
ひぐらしも天気予報になる |
雲仙腰巻、阿蘇頭巾 |
雲仙嶽の裾野に雲がかかり、阿蘇山の頂上に帽子をかぶったように雲がかかったら、かぶるものを用意するとよい |
三石日和(さんごくびより) |
振ろうごと(五斗)降るめえごと(五斗)じっとして(十斗)、ごとごとふりだす((五斗)(五斗)じわじわと降りだす天気予報 |
農事・気象の俚諺・諺
項目 |
内容・説明 |
八幡園の耳取風 |
宮地の出口から塩塚までの間(北からの冷たい風) |
一の御田の耳取風 |
一の御田を出て古城ヶ鼻までの間(北からの冷たい風) |
立野のまつぼり風 |
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小寒の雪が大寒にとける |
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二月の寒戻り |
二月は逃げる、逆現象 |
三月の忘れ雪 |
冬の名残、野焼きが始まる |
四月のサド倒し |
サドはサトガラ、折角伸びかかっていたサドが寒にやられる |
柿の葉三枚 ごぼう抜き |
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こぶしの花に芋植えよ |
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乙姫の祭りに種もみ計ってまけ |
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こぶしの花は苗代時 |
かって宮地駅前にはこぶしの大樹があった。 |
八十八夜の別れ霜 |
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苗代寒合 |
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夫婦二人口ならわらびは年中ある |
かっては鎌で刈るほどのわらび驚くべき多さであった |
臥牛起馬 |
あたりまえのこと |
牛の朝飼い馬の夜飼い |
農家では牛馬を大切にする |
馬やが栄えにゃ本家も栄えん |
農家では牛馬を大切にする |
麦は蒔きしほ百日、刈りしほ三日 |
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里芋は田植え歌聞かにゃ芽が出ぬ |
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長雨にへこたれる |
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すがるの空が明るうならにゃ長瀬(長雨、または梅雨)やまぬ |
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煙が南は晴れ、北は雨 |
農民は中岳の煙で気象を予知した |
雲仙腰巻 阿蘇頭巾 |
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根子岳夕立ちゃ屁もひり合わせん |
洗濯物は早く入れないと |
北山夕立ちゃ音ばかり |
宮地は音ばかりで雨は降らない |
うどんやハガマは湯あかり |
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手野の御田は夕立御田 |
不思議と雨が降った |
御田が来たら人参植え |
7月26日 |
半夏至に豆植え |
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八月ただれは蔵たつる |
稲の生育には日照 |
九月大名 |
農家では腰をのばして入湯に行く |
牛と馬とは片身代 |
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霜宮祭りにたかなを植えよ |
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古神さんにタカナ植え |
10月13日から20日 |
阿蘇谷のばんびゅう風 |
はげしい風 |
初亥に蒔けば稗(ヒエ)つくり |
旧暦10月亥の日、亥の子 |
中亥に蒔けば実つくり |
稲の生育を守ってくれた |
後亥い蒔けば花つくり |
ソバの植えときでもある 田の神に感謝 |
十月の小六月、秋日のあくた蝿 |
暑さぶりかえす 秋日にはうるさいように蝿が出る |
亥の子が来たらコタツを立てる |
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亥の子に大根引き |
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阿蘇谷の夫婦火事 |
一軒焼けたら、必ず又一軒焼ける「火の用心、火の用心、」 |
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*参考文献 北田 正三著 「阿蘇」 |
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教育委員会「故郷の方言」 |
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その他 採取者 嘉悦 渉 |
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(2)商業 (旧宮地町を中心に、各地区、古城
坂梨、中通とのつながり)
・店の名 (昔から伝わっている店の名)
・年中行事(お祭り等) 阿蘇神社お祭り
祭り上げ 3月
おんだ祭り 7月28日
放生や 10月
風祭り
火振り
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うなり
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おんだ
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うなり
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やぶさめ
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おんだ
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手野国造神社
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風祭
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