6 白川と鹿漬川
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6 白川と鹿漬川

  草部吉見神社は日本三大下り宮の一つにも数えられるお宮で、社殿が石段の下の方にある珍しい神社です。阿蘇神社関係のお宮の中でも一番古い歴史のあるお宮だと言えるでしょう。

 阿蘇外輪山の伏流水(ふくりゆうすい)を集めた湧き水のある白水村には、白川の源流となる水源が豊富で、その一つ田川水源には吉見神を祀るお宮があって多くの人がお参りし、自然の驚異とその恵みの有り難さに畏敬の念を払っているのです。

この水源は、阿蘇五岳の南面である南郷谷の東側から発しています。一方、五岳北側の阿蘇谷の東端から出ている水は、すべて黒川上流の鹿漬川になり、立野で合流して白川となります。

 この阿蘇谷東の壁には冬になると凍ってしまう滝があります。有名な古閑(こが)の滝です。そして、この少し北側にある産(うぶ)の平は、矢の島とも言い阿蘇都媛のお産の場所だったと伝えられています。この場所を決めるときに矢を放ったこと、産屋をたてるのに適した場所というのが、そのまま地名になっているのでしょう。

       

 産の平には、産土(うぶすな)神社があり、お乳がよく出るようにと、お祈りをする人たちが今でも後を絶たないのです。ここには清例(せいれつ)で豊富な水量を誇る水がとうとうと流れ、一の宮町の水源の一つになっています。 また北外輪山から流れ出す水は、宮川渓谷に入り鹿漬川となります。

               

 阿蘇外輪山の北東部に当たる産山(うぶやま)には、健磐 

龍命の嫡孫(ちゃくそん)誕生に由来する地名が今も残っています。

  

 御渇船(おゆぷね)、柄杓田(ひしゃくだ)、平川などの地名も、嫡孫誕生ゆかりの地名だと伝えられており、産湯をつかった時の、柄杓を投げたことから柄杓田、産湯をわかした平釜がなまって、平川になったといわれています。御湯船は、山間の静かな温泉で、今も村人はもちろんのこと、よそからも沢山のお客さんが訪れ賑わっています。

 産山は、宇夫山と書かれたこともあって「うぶのやま」ともいわれています。


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