7 「米塚と阿蘇大明神」・「三久保とこしき岩」
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7 「米塚と阿蘇大明神」・「三久保とこしき岩」

健磐龍命は、力強くて勇敢で、そしてやさしい心のお方だったといわれています。

ある日のこと、病におかされ、疲れきった男の人が道端に休んでおりました。

「どうなされた。」 命が声をかけられると、男の人は弱々しい声で答えました。

「もうだめです。きのうから何も食べていないのです。」

すると、命は急に山よりも大きな体になって、米塚のそばに近づくとその大きな手のひらで、山のてっペんをすくわれたのです。てのひらの中には、真っ白なお米がどっさり。「これを食べて元気におなりなさい。」

男の人はふしぎな出来事におどろきました。村の人達にそのことを話すと、「それはきっと健磐龍命様にちがいない。」と、口々に言いました。

 その後、人々は健磐龍命のことを阿蘇大明神様と呼んで敬うようになりました。

 内の牧の西に三久保という部落があり、三つの丘が並んでいます。これは大明神が、こしき岩でむしたもち米を三くば投げたことから付けられた名前だといいます。こしきというのはお米を蒸すときの道具です。こしき岩は千丁牟田の近くにあります。

 

註 農業の神として敬われている命と人々のかかわり、農業とのかかわりがこの話によく表わされていると思います。


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