昔の歌
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(4)昔のうた

    子守唄

  ・ねんねこねんねん (明治後期) ・眠れ眠れ     (明治後期)

・お月様いくつ

◇ 田植えうた    (明治後期)

◇ 地づきうた    (明治前期)

◇ 流行うた (はやりうた)

(明治後期)

・関の五本松    (明治後期) ・めでためでた  (明治後期)

・ドッコイセ    (明治後期) ・関のじょろしゅ  (明治後期)

・初恋のうた   (明治後期) ・スットトン節   (明治後期)    

・籠の鳥     (大正初期) ・アイラブユー  (大正中期)

 

昔の歌

(五十音順)

アイ・ラブ・ユー

 

青い目のお人形

 

田舎の四季

 

梅干しの唄

 

 

うさぎの餅つき

 

お月さん

 

お月さん

 

お日

 

数え唄1

 

籠の鳥

 

看護婦

 

北風

 

汽車ポッポ

 

ぎんぎんぎらぎら

 

銀座の柳

 

木の葉

 

鯉のうた

 

伍一じいさん

 

五月節句

 

新一の宮音頭 

作詞 山口白陽

十五夜お月さん

 

スットトン

 

関の五本松

 

関のじょろしゅ

 

戦友

 

田うえうた

 

大仏さま

 

どこいせ節

 

どんぐり

 

流れ星

 

虹の橋

 

人形

 

初恋のうた

 

母の仕事

 

飛行機のうた

 

一人でねんねしよう

 

雲雀

 

ボクの飛行機

 

ポチ

 

宮地 小唄

作詞 野口 雨情

宮寺

 

めでた めでた

 

メダカ

 

山の祭り

 

義経

 

 


アイ・ラブ・ユー

 

アイラブユー ユーラブミー 

ラブは当座のでき心 

赤ちゃんができても アイドンツノー

 

青い目のお人形

 

青い目をした   お人形は

アメリカ生まれの   セルロイド

アメリカ生まれの   セルロイド

 日本の港に     着いた時

いっぱい涙を     浮かべてた

 

私は言葉が     わからない

迷子になったら   何としょう

やさしい日本の  じょうちゃんよ

仲良く遊んで   やっとくれ

仲良く遊んで   やっとくれ

 

* 昭和の初期、アメリカからセルロイドの可愛い人形が親善の為に送られて

来て、日本の小学校に配られた。

 

田舎の四季

 道をはさんで 畑一面に

麦は穂が出る 菜は花盛り

眠る蝶々 飛び立つ ひばり

吹くや 春風 たもとも 軽く

あちら こちらに 桑摘む乙女

日増し日増しに 春ごも肥ゆる

 

刈って広げて 日に乾かして

もみに仕上げて 俵に つめて

家内揃って 笑顔 に笑顔

村の祭りの 太鼓が 響く

 

母の手際の 大根なます

これも田舎の 年越しなます

棚の餅引く ねずみの音も

更けて 軒端に 雪降り 積もる

 

梅干しの唄 

 二月三月花盛り 鳴く鴬に宿貸した 

楽しい春も夢のうち 五月六月実に成れば

枝から振るい落とされて 何升何合計り売り 

もとより酸っぱい此の身体

塩に漬かってからく成り 

紫蘇に染まって赤く成り

七月八日熱い頃三日三晩の土曜干し

思えばつらい事ばかり

此れも世のため人のため 

皺はよっても若い気で

運動会にもついて行く 

戦と聞いた其の時は 勇む兵士のお伴して

み国に尽くす此の姿

 

うさぎの餅つき

 

ぺったん ぺったん  やれつけ それつけ

黄金(こがね)の臼やら 金の杵

搗きますお餅は   十三七つ

お月様にも 上げましょう

お月様にも 上げましょう

 

* 子守うたにもした。とんとん たたきながら歌った。

 

 向こう鳥山に鶯が一羽いた

あいさつさしてくりゅうと竿取りなおす

竿じゃさされぬ あやくさんが さして見しゅ

あやを忘れて水魚が便り

一で一本橋 美人さんが たより

二つ 深川 船頭衆が たより

三つ みかんは河内が たより

四つ 嫁ごは 着物が たより

五つ 医者どんな 薬箱が たより

六つ 麦飯しゃ とろろが たより

七つ 菜切り包丁 切り板が たより

八つ やまがら ピンピン草 たより

九つ 紺屋はおかせ(白い糸)が たより

十で 豆腐屋は お豆が たより

 

お月さん

お月さん幾つなの 妾は七つの親無し子
お月さん空の上 
妾は並木の草の上 お月さんもう帰る 
妾もそろそろ眠たいの 
お月さんさようなら 明日の晩までさようなら

 お月さん

   雨降り お月さん 雲のうえ
   お嫁に 行くときゃ 誰と行く
   一人で から傘 さして行く
   から傘 無い時きゃ 誰と行く
  シャン シャン シャン シャン 鈴つけた
   お馬に 揺られて ぬれていく

  お月さん 幾つなの
  私は 七つ 親なし子
  お月さん 空の上
  私は 並木の草の上
  お月さん もう帰る
  私も そろそろ 眠りたいの
  お月さん さようなら
  明日の晩まで さようなら

  十五夜 お月さん ご機嫌さん
  ばあやは おいとま 取りました
  十五夜 お月さん 妹は
  田舎に貰われて 行きました
  十五夜 お月さん 母さんに
  も一度 私は あいたいな

 お日

お日が 出て行く 朝早く
どこへ出て行く 元気よく
務めは会社か 学校か
弁当も持たず どこへ行く
晩になっても まだ西へ
東の家は 何時もどる
今日は 雨降り 道悪く
 人の 行き来も 少なくて
 何時もに 似合わず 出てこない
こんな 日よりは お嫌いか
それとも 朝ねか 風邪引きか

籠の鳥

あいたさ 見たさに こわさも 忘れ
暗い夜道を 唯一人逢いに来たのになぜ出て逢わぬ 僕の呼ぶ声 忘れたか
あなたの呼ぶ声 忘れはせぬが 
出るに 出られぬ 籠の鳥籠の鳥でも 
知恵ある鳥は 籠を破りて 逢いに来る


数え唄


一つとや 人々忠義を第一に 第一に
 仰げば 高き 君の恩 国の恩
二つとや 二人の親ごを大切に 大切に
  思えや 深き 父の恩 母の恩
三つとや 幹は一つの枝と枝 枝と枝 仲良く 暮らせよ 兄弟 兄弟
四つとや 良きこと互いに進めあい 進めあい 悪しきを いさめよ 友と友 人と人
五つとや いつわり言わぬが子供らの 子供らの 学びの 初めぞ つくしめよ いましめよ
六つとや 昔を考え今をしり今をしり学びの光を 身につけよ 身にそえよ
七つとや なんぎをする人見る時は見ると時は 力の限り いたわれよ あわれめよ
八つとや 病は口より入ると言う 言う 
飲み物食い物 気をつけよ 心せよ
九つとや 心必ず高くもて 高くもて 
たとえ身 分は 低くとも 軽くとも
十とや 遠き祖先のおしえをも おしえをも
 守ってつくせよ 国の為 村の為

 

看護婦


 世に文明の花と咲く  赤十字社の看護婦が
二人の勇士を送りつつ  長い廊下の物語
元 私は京都市の 或る病院にいましたが
去年三月花の頃  国の父よりおん便り
お前もよくよく知る通り この度戦が始まって
たたかい戦には勝ったれど 敵も大国ロシア国
もとより信義の我が軍は  勝利はあると云いながら
み国に生れた者として これがうかうか見てらりょか
今朝も今朝とて新聞に お天子様のお勅語を
読んで思わずこの父は 熱い涙にむせんだぞ
丁度幸い 女だが お前もこの年二十一で
一五の春から修業して看護婦のまま丸六年
兄に代わりて御奉公 一時も早く志願して
お国のために断乎たれ 道は一筋ぬかるなよ

 

北風


一、身を切るような 北風の 吹く夕暮れに 
 
姉妹 帰りを急ぐ 野中道
 
八つばかりの 女の子 袂を顔に押し当てて 一人しくしく 泣いている
二、姉のおつるは 立ち寄って 何でそんなに 泣いている もしお腹でも痛いのか 
 
落し物でもしたのかと その子の肩に
 
手をかけて 言葉優しく慰める
三、それを聞いた 女の子 
 
「いいえそうではありません」
  わたしは前から目が悪く 杖を頼りに歩きます 今その杖をもぎ取られ 帰りの道が知れません
四、そんな悪さを 誰がした 悪い子供が 
 
大勢で わたしの手から もぎ取って
  取った音はしましたが 悪いことには
 
目が見えず 探す事さえ 出来ません
五、それを聞くなり 妹の お文は急ぎ 
 
道端を 其處か此處かと 探すうち
  少し離れた 草むらに 
 
ようよう杖を見つけ出し それを拾って
 
取ってやる
六、めくらは杖を 受け取って ああ有難う御座います 

 嬉しい事と礼言って  見えぬ目ながら 

 見返れば 二人も後を 振り返る

汽車ポッポ


お山の中行く    汽車ポッポ
ポッポ ポッポ  ゝ  ゝ 煙出し
シュッ シュッ ゝ  ゝ 白い湯気ふいて

機関車と機関車が前引き後おし
何だ坂  こんな坂  ゝ  ゝ
トンネル 鉄橋 シュッ シュッ シュッ 
トンネル 鉄橋 シュッ シュッ シュッ
トンネル 鉄橋 トンネル 鉄橋 トンネル 

トンネル トン トン トン トン   登り行く

 

ぎんぎんぎらぎら

1 ぎんぎん ぎらぎら  夕日が沈む
  ぎんぎん ぎらぎら  日が沈む
2 まっ赤っかっか  空の雲
  みんなのお顔も まっ赤っかっか
  ぎんぎん ぎらぎら  日が沈む
3 からすよ お日を おっかけて
  まっ赤に染まって おりてこい
ぎんぎん ぎらぎら  日が沈む

 

銀座の柳


一 昔恋しい 銀座の柳
  仇な 年増を 誰が知ろう
  ジャズで 踊って リキュールで更けて
  明けりゃ ダンサーの 涙雨
二 恋の 丸ビル あの窓あたり
  泣いて 文書く 人もある
  ラシュアワーに 拾ったバラを
  せめて あの子の 思い出に
三 広い東京 恋故 せまい
粋な 浅草 忍び合い
あなた地下鉄 私はバスよ
恋の ストップ ままならぬ
四 シネマ見ましょうか お茶の見ましょうか
     いっそ 小田急で 逃げましょうか
     変わる 新宿 あの武蔵野の
     月も デパートの 屋根に出る

 

木の葉

何處から来たのか 飛んで来た木の葉
くるくる舞って来て 蜘蛛の巣にかかり
風にゆられてゆらゆらすれば 
蜘蛛はえさかとよって来る
何處から来たのか 飛んで来た木の葉 
くるくる舞って来て 池の上に落ちて
波に揺られてゆらゆらすれば 
鯉はえさかと寄って来る

 

鯉のうた

出て来い出て来い池の鯉
 其處の松葉の茂った中に 
手の鳴る音が 消えたら来い来い

 

 

伍一じいさん


村をはずれ  の水車(みずぐるま)の小屋に
日がな一日 うたう声 ザブザブ落ちる 
水の音 トントン響く 杵の音
年(ねん)が年中(ねんじゅう)  
休まない伍一じさん まない

* 米をつかせる水車小屋で、きねの音がトントンこのきねが落ちる度に米がきれい
なります。この米をつかせることを「けしね」と言う。音が激しいので、話をするとき

は大きい声で話さないと聞こえない。その大きい声のことを「けしね声」と言う。

 

五月節句

1、カッタカナ槍は   清正公
  ナギナタ 持つは 弁慶よ
  お馬にまたがる  金太郎
  ああ勇ましい    その姿
2、しょうぶも軒に   つるしましょう
  神酒(みき)もちまきも  供えましょう
  そうして戦の     神様に
  我等の武運     祈りましょう
3、 我等も同じ      日本の
   生まれ 出たる   男児なり
   いざや体を     ねり鍛え
   お国のために    尽くしましょう

  

新一の宮音頭 

 

作詞 山口白陽
       作曲 出田憲二
       歌  大田厚子

一、阿蘇の雲海五色に染めて 神々ながらの日が昇る 
 燃ゆる火の山麓の町は 肥後の産土一の宮
二、昔なつかし箱石峠 バスで指さす古閑の滝
  汗で見上げた滝室坂も 今は鼻唄七曲り
三、招く噴煙よ心も空に 急ぐ裾野の郭公島
  花のむしろは仙酔峡よ パコダ()見下すロープウェイ
四、宮の祭も数ある中で 闇に火に振る御前迎え 御田過ぐれば秋風吹いて 千町実の放生会
五、山のハイウエー古城が鼻に 望む五岳の大絵巻 広野はるばる夕焼け空に 唄が流れる草泊り
六、木にも草にも昔が恋し手野の神杉長目塚
  
誰を松風小嵐山の 影がささやく鹿漬川
七、宮地、坂梨、中通り、古城 
 
担ぐ神こしは一の宮心揃えば唄声揃う 唄が揃えば手も揃う

 

十五夜お月さん

十五夜お月さん 御気嫌さん 
ばあやはおいとま とりました
十五夜お月さん 妹は田舎へもられて行きました
十五夜お月さん 母さんに
も一度妾は会いたいな

スットトン節

一、スットトン、スットトンと通わせて 
  
今更いやとはどう欲な嫌なら嫌じゃと最初から

  言えばスットトンと通やせぬ スットトン、スットトン
二、今日は 天神さんの お祭り日 お金も 
  
しこたま 貰うたし  芸者買おか 女郎買おか 

   かかに相談して どやされた スットトン、スットトン
三、スットトン 畑に菊植えて 根も菊 花も菊 
  
天皇陛下の紋も菊 
  
時々きゃ スーチャンの声も聞く
  スットトン、スットトン
四、スットトン、スットトンで相惚れて 
  
一夜も 沿わずに 死んだなら
  
私しゃ 菜種の 花と咲く あなた 
  
ちょうちょうで 飛んでおいで
  スットトン、スットトン

 

関の五本松
ハア関の五本松 ドッコイショ 一本切りゃ四本 
あとは切られぬみょろと松よ ショコイチリキヤの ホイの松 ホイホイ

 

関のじょろしゅ

ハア関のじょろしゅは いかりか つなかよ 
ヤットサのサ けさも 出船を エエ けさも
 出船を 二そう 止めた
シャンシャンシャンと来て シャンとおどれ
 それ シャンとおどれ

 戦 友


1 ここはお国を何百里(なんびゃくり)
  
離れて遠き満洲(まんしゅう)
  
赤い夕日に照らされて
  
友は野末(のずえ)の石の
2.
思えばかなし昨日(きのう)まで
 
真先(まっさき)かけて突進し
 
敵を散々(さんざん)()らしたる
 
勇士はここに眠れるか
3.
ああ戦(たたかい)の最中(さいちゅう)
  
隣りに居()ったこの友の
  
(にわ)かにはたと倒れしを
  
我はおもわず駈け寄って
4.
軍律きびしい中なれど
  
これが見捨てて置かりょうか
  
「しっかりせよ」と抱き起し
  
仮繃帯(かりほうたい)も弾丸(たま)の中
5.
折から起る突貫(とっかん)
  
友はようよう顔あげて
 
「お国の為だかまわずに
 
(おく)れてくれな」と目に涙
6.
あとに心は残れども
 
残しちゃならぬこの体(からだ)
 
「それじゃ行くよ」と別れたが
 
(なが)の別れとなったのか
7.
(たたかい)すんで日が暮れて
 
さがしにもどる心では
 
どうぞ生きて居てくれよ
 
ものなと言えと願(ねご)うたに
8.
(むな)しく冷えて魂(たましい)
 
故郷(くに)へ帰ったポケットに
 
時計ばかりがコチコチと
 
動いて居るのも情(なさけ)なや
9.
思えば去年船出して
 
お国が見えずなった時
 
玄海灘(げんかいなだ)で手を握り
 
名を名乗ったが始めにて
10.
それより後(のち)は一本の
 
煙草(たばこ)も二人わけてのみ
 
ついた手紙も見せ合()うて
 
身の上ばなしくりかえし
11.
肩を抱いては口ぐせに
 
どうせ命(いのち)はないものよ
 
死んだら骨(こつ)を頼むぞと
  
言いかわしたる二人仲(ふたりなか)
12.
思いもよらず我一人
 
不思議に命ながらえて
 
赤い夕日の満洲に
 
友の塚穴(つかあな)掘ろうとは

13.
くまなく晴れた月今宵
  
心しみじみ筆とって
 
友の最期(さいご)をこまごまと
 
親御(おやご)へ送るこの手紙
14.
筆の運びはつたないが
 
行燈(あんど)のかげで親達の
 
読まるる心おもいやり
 
思わずおとす一雫(ひとしずく)

 田うえうた


ああ腰の痛さよ 大せまちの長さ ああ四月 
五月の 日の長さ ああ四月五月は
ねてさえ ねむい ああさぞや 
かっもちゃ ねむてじゃろ

 

 大仏さま

 奈良の奈良の 大仏さんに
 
雀が三羽 とまって 何と言うて
 鳴いてます
  チュッツ チュッツ チュッツ チュッツ
 
一羽の子雀は お鼻にとまって
 
高い高い お山だよ チュッツ チュッツ
 チュッツ チュッツ
 
一羽の子雀は お耳にとまって 暗い暗い 
 
トンネルだよ
 
チュッツ チュッツ チュッツ チュッツ
 
一羽の子雀は 頭にとまって 広い 広い 野原だよ
チュッツ チュッツ チュッツ チュッツ

 

 どこいせ節

一、こなたの ざしきは 祝いのざしきで 
  
鶴と亀とが 舞いまわる
  ドコイセ ドコイセ ドッコイセ
二、ドコイセ ドコイセは いなかのすもよえ 
  
こけつ まるめつ またもドッコイセ 
  
ドコイセの せんだ川 横流れ

 

どんぐり

 どんぐり山の どんぐりじいさん
ポッタリ ペチャンコ
ころころ ころころ ころげて 出かけましょ
どんぐり山の どんぐりばあさん
私も ついでに ころころ ころげて 
出かけましょ

 

流れ星

暗い み空の  流れ星
どこへ 何しに 行くのでしょう
林の果ての   野の果ての
誰も 知らない 湖に
のどの 渇いた お星様
お水を のみに  参ります

 

人形

私の二つの お人形は
一つは 郡の おば様に
送って貰った 京人形
清き流れの 賀茂川や
春は 花咲く 東山
秋は 紅葉の 嵐山
郡 生れの 京子さん
緑の黒髪 ふさふさと
友禅 模様の着物着た
本当に 可愛い 人形よ

 

虹の橋

あっちの町と   こっちの町と
太鼓橋      かけた
赤いじょじょはいて  みんなで渡ろう
あの子も渡れ この子も渡れ みんなで渡れ
虹の橋 高いぞ  手々引いて渡れ

 

母の仕事



一、朝早やくから井戸端で 母は精出す洗い物 

タライの中にあるは何此れは太郎の小倉の袴 

太郎昨日は運動会で 泥によごした此の袴
二、夜遅く迄奥の間に 母は精出す針仕事 
膝の上にあるは何
  此れはお春の晴れ着の羽織 お春昨日はひな様祭り 着せてやり度い此の晴れ衣

 

初恋のうた

小窓をあけて眺むれば 西の空には赤星が
やっぱりひとりで泣いている
わたしゃ野に咲く名なし草 
あなたはみ空の一つ星よ 
どうせそわれぬ仲なれば
そっと小声で呼んでみよ 
よしましょ止めましょ忘れましょ 
涙にぬれる 恋なれば
きれいにぬぐって すてましょう

 

飛行機のうた

一、僕が造った飛行機が ハンドル取って舞い上がり

 日本国中とんで見た 其れは夕べの夢でした
二、国語算術体操と 何でも甲を貰ったら
 此の子は良い子とほめられた 
其れは本当の事でした

 

一人でねんねしよう

今日から一人でねんねしよう
ねいやはお里へ 行ってしもうた
母さんは お墓で おねんねよ
今日から 一人で ねんねしよう
おとぎ話も 出来ないが
楽しい夢よ 来ておくれ
今日から 一人で ねんねしよう
お手々の枕も 出来ないが
静かな 眠りよ 来ておくれ
今日から 一人で ねんねしよう
ねいやも おっ母さんも いないけど
泣かずに 一人でねんねしよう

 

雲雀 
      
雲雀は歌い蝶々は踊る
春の 野山に 遊ぶは嬉し
ここには よめ菜 ここには つくし
たんぽぽ すみれ レンゲソウ
花をば 摘みて 草をば取りて
家の母さんの おみやにしましょ

 

ボクの飛行機


大きく成ったら僕はあの 鳥のような飛行機で 飛んで見たいな世界中
父さん母さんポチも乗せ お庭の月山下に見て 次郎さんのお家を後にして
イギリス、フランス、ロシア、ドイツ 
アメリカ迄も渡っても 僕の飛行負けないぞ

 

ポチ

外元出る時尾を振って 
追っても追ってもついて来る
 ポチは本当に可愛いいな
お家元帰れば尾を振って 袂にすがって嬉しがる ポチは本当に可愛いいな

 

宮 地 小 唄
野 口  雨 情  氏  作

水の宮地に不思議は一つ
東岳川 水がない
           
宮地飛行場 む可ふ(むこう)は五岳
   阿蘇はながめもひろ いところ
                  
小堀スキ−場 降る雪さ江も
 つもりや氷の原となる

時鳥(ほととぎす)なく 仙酔山の
 阿可(あか)の つつ志も咲いたやら

風は涼しく青葉は薫る
阿蘇の宮地は夏知らぬ

阿蘇の宮地はおひよりつづき
けふは茶の芽も伸びたやら

國の守可(もりか) 世の礎可(いしずえか)
 阿蘇の御社(みやしろ) 神さびる

阿蘇はよいとこ 甘露の雨可(が)
草の葉にふり葉に宿る

空と野原を忠右衛門鳥(ちゅうよむどり)は
   水志(じ)やない可とゆききする

 

宮寺


 一番はじめは一の宮
 二又 日光の東照宮
三は 桜の宗五郎
四 又 信濃の 善光寺
五つ 出雲の大社
六つ 村々 鎮守様
七つ 波子の 不動山
八つ 大和の八幡宮
九つ 高野の弘法山
十は 東京の 本願寺
これほど 心願かけたのに
波子の病気は治らんか
ゴウゴウ々 々 と鳴る汽車は
武雄と波子の別れ汽車
熱海の濱の海岸で
鳴いて血を吐くホトトギス

 

 

めでた めでた

めでためでたの若松様よ 枝もチョイチョイ
 栄えて 葉も茂る ア ヤッショ マカショ

 

メダカ

1、小川のメダカを   すくって取ったら
 おやおや ゝ ゝ   取ったかと思ったら
 どこかへ    逃げた

2、逃げたメダカは  あそこにいるぞ
 それっ ゝ ゝ    今度こそ取ったら
 逃がしは せんぞ

山の祭り
笛や太鼓に   誘われて
山の祭りに    来て見たが
日暮は      いよいよ里恋し
風吹きゃ     木の葉の音ばかり

 

義 経

一 父は尾張の 露と消え
  母は 平家に とらえられ
  兄は 出海に 流されて
  己一人は 鞍馬山
二 仇の 平家を 滅ぼして
  我が家 源氏を 起こさんと
  昼は学問 剣術の
  人目をしのぶ 夜の業
三 七つ道具を 投げ出して
  弁慶あやまる 五条橋
  金うり吉次が おともして
 落ち行く先は 奥州路
 四 鏡の山の 元服に
其の名は 義経原九郎
途中の難儀を 切りぬけて
ひらひら館に 着きにけり
 五 程無く 源氏の 花咲くや
 兄 頼朝の 命を受け
 
将軍 義仲を  唯ひと討ちに 滅ぼして
      
六 ひよどり越えの 坂落とし
八 島が浦の弓流し
  壇ノ浦では 八艘飛び
   長く誉を 残しけり

 


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