坂梨校百年誌
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百年誌発刊に寄せて    同窓会長 高 木 鉄 臣

 皆さんと共に、母校の創立百周年を心から祝福して、記念碑を建立し、私たちの心の寄り処を一層固めました。これと共に事業の一つとして「坂梨校百年誌」を編み、私たちの座右に、たえず母校の姿、村の歴史などを備えて置きたいと思いました。会員名簿の作製整備には、現 軸丸校長に、その他の執筆は四十数年前の私の教え児である、松山の渡辺君に依頼しました。同君は熊本師範卒業後は、殆ど坂梨内に暮して、母校にも多年勤務し、十数年前より郷土の研究調査に、取り組んできました。それらのものを添削し、新たに原稿を起し、ここに発刊する運びとなったことは喜びにたえません。どうぞこの冊子により、皆さんの家庭で、時に話題となり、追憶の資とされるよう、お願いするものであります。

  百年誌 執筆に当たって    渡辺 文吉

  「坂梨百年誌」を執筆することになって、昨年十二月初めから、このことに没頭しました。これまでに書き貯めていたものが、大半を占めるであろうことは予測できましたが勿論新たに稿を起すものもかなりあります。幸い冬休みに入るので、意気込んで机に坐りました。その間に考えたことを、二・三書いておきます。

一、同窓生名簿は明治二十一年からこの方八十五年分、三千四百八十人がもれなく収録されました。これ程完全な形で台帳の整っている学校も少ないでしよう。

 二、村の教育史については、実はもう私は三回書いています。今回は口語調で話しかけの形式をとつてみました。この中には多数の先輩たちの名を挙げましたが、すべて敬称は略しました。学問の道において活動した人の跡を書き留めておかぬと分らなくなる、と数人から話されました。

 三、「炉辺十話」や文学作品は、村や学校を知る上の手がかりたになると思つて取りあげたのです。大正以前の交通集落・宿場町的な村と、現代とでは性格が、がらりと変っているので、以前のように村に気を止める人もいません。すべて通過する旅行者であって、旅人ではないから、こんな文学の生れることも、もうほとんどないでしょう。そんな意味からも残しておきたいと思いました。 とにかく読んでいただくよう、工夫してみました。